九段会館テラスについて

#3
九段会館テラスの施設
立地
水と緑に囲まれたオフィス

水辺に咲くレトロモダン。内堀通りに面し今後も高層化が進んでいく都心にありながらオフィスが面するのは旧江戸城のお濠「牛ケ淵」と北の丸公園の豊かな緑。九段坂からは立地の良さとそこに建つ九段会館テラスの凛とした佇まいを感じられます。

ファサード
旧九段会館と共存する

三層構成からなる外壁に瓦屋根を乗せた、「帝冠様式」建築を代表する旧九段会館。新築部分は、旧九段会館の縦基調の外壁デザインを踏襲し垂直性を強調した意匠とすることで調和をはかっています。

景観、建物の構成
九段下の風景を継承する

旧九段会館は、軍人会館として竣工した1934年(昭和9年)以来、多くの人々の心に刻まれた九段下の風景となっています。九段会館テラスにおいても、内堀通りから見える北側、東側の2面を保存し、記憶の財産として将来に継承されます。

メインアプローチ
豊かな緑の広場を通り玄関へ

地下鉄3路線が乗り入れる九段下駅の交差点側から訪れる多くの人々は、徐々に見えてくる旧九段会館(以下、保存棟)正面玄関に導かれ敷地内へと進みます。本プロジェクトでたくさんの植栽が植えられた「九段ひろば」が、皆さまを優しくお迎えします。

エントランス
保存された玄関ホールから内部へ

保存棟正面玄関が、建物全体のメインエントランスとなります。庇の先端部や照明器具など創建時の意匠に復原された大庇の下を通り、保存された玄関ホールから、建物内へと進みます。

プラザ
お濠に開かれた、各空間との結節点

天井高を低く抑えた保存棟ホールを抜けるとヨーロッパのターミナルをイメージした半屋外のようで開放的なプラザへと続きます。お濠側を全面ガラスカーテンウォールとし、1階オフィスエントランス、地下1階商業エリア、2・3階の宴会場やカンファレンスゾーンを結ぶ結節点となっています。

オフィスエントランス
人々を迎える新築棟の顔

玄関ホールからプラザを通り、まっすぐ進んだ先がオフィスエントランスです。奥行と広がりのある空間は、お濠に面したテラスを有し、皆さまを和ませます。

オフィスエントランスの設え
デザインテーマはレトロモダン

保存棟に戦前の建築意匠が随所に残る本建物では、新たなインテリアのテーマを「レトロモダン」としました。対比ではなく調和による一体感を目指すデザインです。左官仕上げの壁や大理石モザイクを使用した床など、一味違った雰囲気を感じられます。

新築棟オフィス
フレキシブルなワークスペース

長手方向約81m、面積約2,500㎡(約750坪)の貸室は、フルハイトの窓面が連続し、眺望に優れ開放感のあるフレキシブルで快適なワークスペースを形成します。

新築棟オフィスからの眺め
引き込まれる眺望の拡がり

ワークスペースからは、東方向にある大手町高層ビル群から、皇居の森、北の丸公園、西方向の靖国神社境内までの景色がパノラマ状に拡がります。周辺には、日本武道館、牛ケ淵や靖国神社の大鳥居、森の先には国会議事堂と見る者を飽きさせません。

新築棟EVホール、廊下、トイレ
レトロモダンな共用部

EVホールとそこから続く廊下は、レトロモダンなデザインでまとめられ、エントランスで体験した戦前の建築空間や意匠の持つ雰囲気がワークスペースまで続きます。

5階ラウンジ、屋上庭園
都会の中の憩いの場

5階塔屋に作られたラウンジは専用庭を持つ内外一体となったスペースです。日常のくつろぎの場であると共に、貸し切り利用も可能です。5階屋上庭園は北側塔屋を境にオフィスワーカーゾーンと店舗のある一般ゾーンに分かれ、それぞれ趣きの違う緑豊かな庭園になっています。

保存棟オフィス(九段会館テラスClassic Office)
保存された建物の中で働く

保存棟オフィス部分は、その雰囲気を感じていただくため、2,3階は天井を張らずに設備配管類がそのまま見えるスケルトン風の意匠としています。創建時意匠に近づけた縦長窓を開くと、心地よい自然の風を感じられます。

3階真珠の間
保存・復原された宴会場 1

3階にある真珠の間は、7mを超える天井高の宴会場です。ヘリンボーン貼りのフローリング、シャンデリア、9つの丸窓など創建時の意匠に戻し、往時の雰囲気を楽しめます。一方、ムービングライトも常設し、自由度の高い照明効果の演出も可能とするなど、使いながら保存する動態保存を実現しています。

2階鳳凰の間、ロビー
保存・復原された宴会場 2

2階宴会場鳳凰の間は、真珠の間と同様に創建時の意匠を保存・復原した空間です。ホワイエからは吹抜けとなっているプラザの様子も伺えます。パーティ、講演会、オンライン配信イベントなど幅広い用途での利用が可能です。

2階応接室、役員室(Guest Room 雅&葵)
創建時の姿に復原された保存室

軍人会館当時は貴賓室として作られた応接室は、長く塗装され隠れていた織物クロス壁を復活させ、正倉院宝物「銀壺(ぎんこ)」につながる図柄を発見しました。役員室と共に、床や天井の仕上げなど新旧の職人技による精緻な意匠を見ることができます。

保存棟階段、EVホール
保存・復原された共用部と設え

創建時の意匠が残る二つの階段室。大理石の中央手摺壁開口には長く真鍮パイプが取りつけられていましたが、戦時中の金属供出で取り外されたと思われる装飾を今回復原しました。4階EVホールの光壁は、解体された大ホールで使われていたステンドグラスを再利用しています。

3階会議室エリア
様々な会議形態に対応する

エスカレーターで上がった3階を中心に、大小8つの貸し会議室があります。超高速インターネット回線も導入し、WEB会議やLIVE配信などオンラインイベントにも対応します。

1階、地下1階Business-Airportエリア
新しい働き方の創出

1階オフィスエントランスに隣接するBusiness-Airport Kudanshitaは、会員制シェアオフィスです。地下1階にはBusiness-Airport Caféと九段食堂を併設。お濠に面した飲食ゾーンは昼食時は一般の方も利用が可能です。

地下1階商業エリア、お濠沿いテラス
お濠に面した商業エリア

1階プラザからガラスカーテンウォールに沿ってエスカレーターを降りたところが、商業エリアです。お濠にも外部デッキを介して面しており、北の丸公園の緑を身近に見られる明るい空間です。

地下1階クリニックモール
人々の健康を支える

地下1階商業エリアには、内科、皮膚科、歯科、耳鼻科、薬局が集まるクリニックモールを開設。オフィスワーカーの健康をサポートします。お濠沿いテラスを通り、外部から直接のアプローチも可能です。

外構
周辺地区とつながる歩行者ネットワーク

かつては駐車場となっていた北側正面前のスペースを、24時間開放の緑豊かな広場として再生、広場からつながるお濠沿いには一般歩行者用のデッキ通路(お濠沿いテラス)を設け、隣接するかがやきプラザから昭和館、九段坂へと連続する歩行者空間としています。かがやきプラザとの間には、内堀通りとお濠沿いテラスをつなぐ路地空間を整備しました。

保存棟仕上げ
旧九段会館を保存・復原する

保存棟では、現代の新築建物ではあまり見ることのない仕上げや装飾が内外に使われています。これらの保存・復原に取り組んでいます。

地下2階オフィス車寄せ
スムーズな来館を叶える

地下2階にある駐車場は、内堀通りに面した出入口から直線状のスロープで直接アプローチできます。自走式、機械式合計129台(うち荷捌き8台)を収容し、15台分のバイク置き場も併設しています。

#1

名称と役割を変えながら時代とともに歩んできた、90年の歴史

#2

モダニズムと歴史的意匠の融合

#3

九段会館テラスの施設

#4

都心でありながら、豊かな緑と水に囲まれた環境

#5

旧九段会館の保存と活用

#6

九段会館テラス ギャラリー

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